猫の下部尿路疾患

下部尿路疾患ってどんな病気?

ネコちゃんがなりやすい病気のひとつに、「下部尿路疾患」があります。
尿は腎臓から尿管を通って膀胱にたまり、尿道から外に出されます。
この尿路のうち、下部尿路(膀胱から尿道の出口)に起こる病気のことを下部尿路疾患といいます。

●おもな疾患

下部尿路疾患のなかで多いのは「特発性膀胱炎」と「尿路結石症」ですが、いくつかの疾患が関わっていることもあります。

特発性膀胱炎
結石や尿路感染症がみられない、原因不明の膀胱炎です。 一度治っても、再発を繰り返すことが多く注意が必要です。
尿路結石症
膀胱や尿道に石のようなかたまり(結石)がたまってしまう病気です。
●おもな症状

原因はさまざまですが、同様の症状がみられます。

●おもな危険因子

下部尿路疾患のケア

食事や生活環境の改善は、下部尿路疾患を管理する上で非常に重要です。治療の一環として取り組んでください。

●食事によるケア

下部尿路疾患のケアで重要なのは、水をたくさん飲んでたくさんおしっこをすることと、食事への配慮です。

水を飲ませる工夫

□常に新鮮な水を用意する
□水飲み場の数を増やす
□うつわの素材や大きさを変える

食事の工夫

□専用の食事療法食*を使用する
   
下部尿路疾患のネコちゃんのために調整された食事療法食を使用してください。ストレス刺激の多い生活に配慮した成分を配合したものもあります。
*食事療法食の使用は獣医師の指示に従って行ってください。

□ウェットフードを与える
   
ウェットフードは食事自体に水分が多く含まれているため、水分摂取量を増やすことができます。

□おやつやトッピングは控える
   
ミネラルバランスが崩れてしまい、治療に影響が出ることがあります。

●環境整備によるケア

ネコちゃんにとって落ち着ける空間をつくることで、安心して食事や排泄をすることができます。できることから少しずつ取り入れてみてください。

1.生活環境の整備
2.トイレ環境の整備

ネコちゃんは、トイレが汚かったり居心地が悪かったりするとトイレに行くのを我慢してしまいます。気持ちよくトイレが使えるように、トイレの環境も見直してみてください。

掃除
1日に1回は排泄物を処理
ネコちゃんの頭数+1個
大きさ
鼻からしっぽの付け根までの長さの1.5倍
形状
高齢のネコちゃんには入り口部分が低く入りやすい形状を選択
配置
休憩・食事・排泄の場所はそれぞれ50㎝以上離す

再発予防のために

下部尿路疾患は、とても再発率が高い病気です。下部尿路疾患で最も多い特発性膀胱炎では、約50%のネコちゃんが1~2年以内に再発するといわれています。 落ち着いたようにみえても、ストレス(騒音や家族の不在など)や季節などさまざまな要因で突然再発します。早期発見のため、自宅でのモニターと定期健康診断が重要です。

●毎日トイレのモニター

おしっこの量や色、トイレに行く回数を確認しましょう。おしっこの量が少ない、色が普段と違うなど変化があった場合は、動物病院にご相談ください。

●定期健康診断

病気の初期症状は見つけることが難しいため、問題がないようにみえても定期検査を受けましょう。動物病院での検査によって、問題がみつかる場合もあります。